記事の監修:及川(宅地建物取引士/オイロバ&パートナーズ(同)代表)
はじめに
「このまま賃貸を続けていいのか、それとも買った方がいいのか」。東京で部屋を探していると、一度はこの疑問にぶつかります。
結論からお伝えすると、東京では「購入の方が絶対に得」とも「賃貸の方が安全」とも言い切れません。
ただし、家賃20万円以上を自腹で払っていて、今後5年以上同じエリアに住む可能性がある方は、購入可能額だけは一度確認しておく価値があります。
この記事では、2026年時点の東京の価格データをもとに、賃貸と購入をどう比較すればよいか、家賃帯別の判断基準を整理します。
東京は「買うのも高いが、借り続けるのも高い」
まず前提として、東京の購入価格はかなり高くなっています。
東日本レインズの2026年5月データでは、東京都区部の中古マンションは成約㎡単価が131.24万円/㎡、平均成約価格は7,413万円(平均専有面積55.11㎡)です。23区でファミリー向けの広さを買おうとすると、8,000万円〜1億円近い物件も珍しくありません。
一方で、賃料も上がっています。東京カンテイの分譲マンション賃料データでは、2026年5月の東京23区は5,078円/㎡。単純計算で、50㎡なら月25万円超、70㎡なら月35万円超のイメージです。
つまり東京は、買うのも高いが、借り続けるのも高いという状況です。だからこそ、どちらが得かを感覚で決めるのではなく、数字で比較する必要があります。
結論:賃貸と購入、どちらが向いているかの分かれ目
家賃が安い人・短期で動く人・家賃補助がある人は、賃貸が有利になりやすい。 家賃20万〜30万円以上を自腹で払い、5年〜10年以上住む可能性があり、リセールの強い物件を選べる人は、購入を検討する価値が高い。
これが基本の分かれ目です。
ただし東京では、単純な「月々の支払い比較」だけでは判断できません。以下をあわせて確認する必要があります。
- 何年住むか
- 家賃補助・借り上げ社宅があるか
- 住宅ローン金利の上昇に耐えられるか
- 将来売れる物件・貸せる物件を買えるか
- 購入時・売却時の諸費用を回収できるか
- 価格が下落した場合にも住み続けられるか
賃貸が向いている人
- 1〜3年以内に引っ越す可能性が高い人。
- 購入は買う時も売る時も諸費用が大きく、短期売却ではコスト負けしやすくなります。
- 家賃補助・借り上げ社宅が手厚い人。
- 会社が家賃の一部を負担しているなら、購入より賃貸の方が合理的なケースは普通にあります。
- 勤務地・家族構成・子どもの学校がまだ固まっていない人。
- ライフプランが不安定な時期に買うと、あとから動きづらくなります。
- 頭金・貯金が少なく、購入後の余力がない人。
- 購入後には管理費・修繕積立金・固定資産税・設備修理費がかかります。現金余力が薄い状態での購入はリスクが高くなります。
- リセールが弱い物件しか予算的に選べない人。
- 東京でも、すべての物件の資産価値が守られるわけではありません。駅距離・築年数・管理状態・間取り・エリア需要で大きく差が出ます。
購入を検討してよい人
- 家賃20万〜30万円前後を自腹で払っている人。 購入可能額を一度確認する価値が高い層です。
- 5年〜10年以上住む可能性がある人。 諸費用を考えると、中長期の方が購入メリットは出やすくなります。
- 勤務地・子育てエリア・生活圏がある程度固まっている人。 保育園・小学校・通勤動線が固まると、購入の合理性は上がります。
- リセールの強い中古マンションを選べる人。 「住みたい」だけでなく「将来売れるか」まで見られることが条件です。
- ローン審査上の属性が安定している人。 年収だけでなく、勤務先・勤続年数・既存借入・信用情報が見られます。
「買えるか」ではなく「無理なく買えるか」が東京の難所
東京の購入で一番難しいのは、審査上は買えるのに、家計では重いというケースが多いことです。
金利の前提も以前とは変わっています。住宅金融支援機構のフラット35では、2026年7月の借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下の最も多い金利は年3.140%です。変動金利を選ぶ人も多いのが実務ですが、金利上昇リスクは以前より無視しにくくなっています。
参考として、35年返済・元利均等で「月々の返済額から逆算した借入額の目安」を金利別に示します(概算・諸費用別)。
| 月々の返済額 | 年1.0%の場合 | 年2.0%の場合 | 年3.14%の場合 |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 約7,090万円 | 約6,040万円 | 約5,090万円 |
| 25万円 | 約8,860万円 | 約7,550万円 | 約6,370万円 |
| 30万円 | 約1億630万円 | 約9,060万円 | 約7,640万円 |
※年3.14%は2026年7月のフラット35最頻金利(借入期間21〜35年・融資率9割以下)。年1.0%・2.0%は金利変動の影響を見るための試算例であり、特定の商品金利ではありません。実際の適用金利は金融機関・審査結果により異なります。
ここで重要なのは、ローン返済額=住居費ではないことです。購入後は管理費・修繕積立金・固定資産税が上乗せされます(ファミリー向けマンションで月3〜5万円程度が目安)。今の家賃と同じ住居費で比較するなら、返済額は家賃より低く設定する必要があります。
家賃帯別の判断基準(早見表)
| 今の家賃 | 年間支払額 | 基本スタンス | 詳しい比較 |
|---|---|---|---|
| 10万円 | 120万円 | 購入は郊外・築古中心。無理は禁物 | 家賃10万円払うなら買った方がいい? |
| 15万円 | 180万円 | エリア次第で比較の入口に | 家賃15万円払うなら買った方がいい? |
| 20万円 | 240万円 | 購入を比較対象に入れてよい価格帯 | 家賃20万円払うなら買った方がいい? |
| 25万円 | 300万円 | 確認しないまま賃貸継続は機会損失の可能性 | 家賃25万円払うならマンション購入もあり? |
| 30万円 | 360万円 | 購入可能額を確認する価値が高い層 | 家賃30万円払うなら買うべき? |
| 35万円 | 420万円 | ただし家賃補助・転勤の確認が先 | 家賃35万円払うなら購入しないともったいない? |
東京のマンション購入は「資産性の判断」でもある
東京のマンション購入は、住居費であると同時に、資産性の判断でもあります。だからこそ、月々の返済額だけでなく、リセールバリューまで確認する必要があります。
購入で大切なのは、買えるかどうかではなく、無理なく払い続けられるか、そして将来売れるかです。この2つを確認せずに「家賃がもったいないから」だけで買うのは危険です。
よくある質問
Q. 家賃20万円を払っているなら、買った方が得ですか?
必ず得とは言えません。ただし、購入可能額を一度も確認しないまま賃貸を続けるのは、機会損失になる可能性があります。まず「いくら借りられるか」「月々いくらなら無理がないか」を確認するのが先です。
Q. 今の東京は価格が高すぎるので、待った方がいいですか?
価格の先行きは誰にも断定できません。確実に言えるのは、待っている間も家賃の支払いは続くこと、そして金利・価格の前提は変わり得ることです。「買う・買わない」の前に、現時点の自分の予算を把握しておくと、どちらに転んでも判断が速くなります。
Q. 頭金がほとんどありませんが、購入は無理ですか?
フルローン自体が可能なケースもあります。ただし購入後の諸費用・保有コストを考えると、現金余力が薄い状態での購入はリスクが高くなります。詳しくは頭金なし購入の記事で解説しています。
Q. 転勤の可能性があります。買わない方がいいですか?
転勤可能性が高い方は、賃貸継続が合理的なケースが多いです。持ち家を貸しに出す選択肢もありますが、住宅ローン返済中の賃貸転用は金融機関への確認が必要です。
まとめ
- 東京では、賃貸も購入も高い。だから感覚ではなく数字で比較する
- 家賃20万円以上を自腹で払い、5年以上住む可能性があるなら、購入可能額の確認には価値がある
- 家賃補助がある人・転勤可能性が高い人・3年以内に引っ越す人・購入後の貯金が残らない人は、無理に買う必要はない
- 大切なのは順番:①いくら借りられるか → ②月々いくらなら無理がないか → ③その予算でどの物件が買えるか → ④将来売れる物件か
まず「自分がいくらまで借りられるのか」を確認してみるのがおすすめ
賃貸と購入で迷っている方は、まず「自分がいくらまで借りられるのか」を確認してみるのがおすすめです。
購入できる価格帯が分かると、今の家賃と比べて無理がないのか、どのエリア・どの広さの物件が現実的なのかを判断しやすくなります。
XROOMSでは、賃貸探しの視点も踏まえて、購入可能額の確認をサポートしています。
今すぐ買うと決めていなくても大丈夫です。まずは、家賃を払い続ける場合と購入した場合の違いを、数字で確認してみましょう。
\ 無料で買える価格帯を確認する /※本記事の価格・賃料・金利データは2026年5月〜7月時点の公表情報に基づきます。シミュレーションは概算であり、実際の審査結果・適用金利・費用を保証するものではありません。








![2026年GW期間中の営業及びアカウントの発行について[XROOMS]の画像](https://cdn.img-asp.jp/cms/9VBSQnJExe/781358_1_295_228_1.jpg)





